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魚沼市政

市の債権放棄は違法 その2(第3号)

(要旨)魚沼市が法律や規則などに定められた条件をクリアせずに、債権(市の財産)を放棄することはできません。今回、市の財産である「債権」を、魚沼市は安易に放棄しました。


 自治体は債権の管理を厳格にし、安易に債権放棄、免除を認めないとする趣旨で、自治法施行令171条の7は規定されているのである

 それでは、魚沼市の弁償金・斎場瑕疵担保請求はどうだったかと言えば、平成27年7月22日に市の環境課担当職員が広神庁舎において、斎場建設工事瑕疵担保債務者を集め、債権請求を行うことになった経緯の説明会を開催し、それ以来今日までの間は、債務者宅に市担当職員を派遣し、弁償金の催告状を手渡すのみで、実効的な措置は何も行ってこなかった。

 債務者の資力又は財力の調べが無く、債務者が前記①の状況に無い事又は履行期限の特約又は処分をした債権ではないこと。及び、前記②の当初の履行期から10年が経過した債権ではないこと10年が経過していないことから③の条件にも当てはまらない。以上のことから、議会議決の前提となる債権放棄の条件を全く満たしていないことが判る。

 仮に、魚沼市が債権を放棄できる規定を、自治法第96条第1項第10号に沿って条例制定して運用する場合、東京弁護士会では次のような規定項目を示している

1,債務者が著しい生活困窮状態(生活保護法の適用を受け、又はそれに準じる状態)にあり、資力の回復が困難と認められるとき。

2,破産法その他の法令の規定により、債務者が当該債権につきその責任を免れたとき

3,当該債権について消滅時効が完成したとき。(債務者が時効の援用をしない特別の理由がある場合を除く。)

4,強制執行の手続きをとっても、なお完全に履行されない当該債権について、強制執行等の手続きが終了したときにおいて債務者が無資力又はこれに近い状態にあり、弁済する見込みがないと認められるとき

5,徴収停止の手続きをとった当該債権について、徴収停止の手続きをとった日から相当の期間を経過した後においても、なお、債務者が無資力又はこれに近い状態にあり、弁済の見込みがないと認められるとき(なお、相当の期間は条例施行規則で1年間と定める。)

以上のように、自治体の債権放棄は簡単ではない。その自治体が保有する財産を放棄することは、市民の財産が失われることであり、それをさせないために法令で足かせを課しているのである。

その3に続く

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